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妊活始めてから生理が重い原因は?不妊リスクと正しい対処法

妊活始めてから生理が重い原因は?不妊リスクと正しい対処法

こんにちは!ふたり妊活Labo運営者です。

「妊活を始めたら、急に生理が重くなった気がする…」「生理痛もひどいし、これって何か病気のサイン?」と不安に思っていませんか?妊活中は、体のわずかな変化にも敏感になりますよね。特に、経血量が増える過多月経や、生理痛が重くなるという症状は、妊娠を妨げる可能性のある病気のサインではないかと心配になるものです。

妊活中の日本人女性がリビングで体調の変化に不安を感じ、スマートフォンで生理症状について調べている様子

実際、妊活を始めたことがきっかけで、これまで気づかなかった子宮内膜症子宮筋腫といった婦人科疾患が顕在化したり、黄体機能不全などのホルモンバランスの乱れが悪化したりすることはよくあります。また、もし妊娠が成立していた場合、重い出血が化学流産異所性妊娠などのトラブルである可能性も否定できません。

この記事では、「妊活始めてから生理が重い」と感じたときに、まず考えるべき医学的な原因や、妊娠に影響を与えずに症状を改善するための具体的な対処法について、分かりやすく解説します。不安を解消し、安心して妊活を続けるためにも、ぜひ最後まで読んでくださいね。

  • 「妊活始めてから生理が重い」と感じる医学的な原因が理解できる
  • 重い生理が妊娠のサインか、それともトラブルのサインかを区別する方法がわかる
  • 妊活中に子宮筋腫や内膜症が見つかった場合の治療戦略がわかる
  • 重い生理を改善し、妊娠しやすい体を作るための具体的な生活習慣がわかる

妊活始めてから生理が重いと感じる原因と体のサイン

妊活を始めた途端に生理が重くなったと感じるのは、あなたの気のせいではありません。これは、主に「意識の変化」「心理的ストレス」、そして「潜在的な疾患の顕在化」という3つの要因が絡み合っていることが多いです。ここでは、特に注意したい医学的なサインについて解説していきます。

子宮と月経の流れをシンプルに示した医学イラスト。過多月経に該当する多い出血量をイメージ表現

過多月経の医学的定義と不妊リスク

「生理が重い」という状態は、医学的に「過多月経」と定義されます。これは、生活の質(QOL)を著しく低下させる過剰な月経出血(客観的指標の一例として1周期の経血量が80mLを超えるとされることもあります)を指します(出典:日本女性心身医学会「過多月経」など)。定義や量の目安は資料により異なる点にご留意ください。

注意!過多月経が引き起こす深刻な影響

  • 大量出血が続くと、鉄欠乏性貧血を引き起こします。
  • 貧血は、全身の倦怠感や疲れやすさだけでなく、着床に必要な子宮内膜への酸素・栄養供給を妨げる懸念があります。

経血量が多いと感じたら、まずは貧血になっていないかを血液検査で確認することが大切ですよ。

子宮内膜症や子宮筋腫など器質性疾患

子宮と月経の流れをシンプルに示した医学イラスト。過多月経に該当する多い出血量をイメージ表現

重い生理や強い生理痛の背景には、子宮や卵巣の構造自体に異常が生じる「器質性疾患」が潜んでいる可能性が高いです。これらは、30代以降の妊活世代に特に注意が必要です。

子宮内膜症と不妊への影響

子宮内膜症は、本来子宮内にあるべき組織が子宮外で増殖・剥離を繰り返す疾患です。これが卵巣にできるとチョコレート嚢腫と呼ばれ、卵管や卵巣機能に影響を与え、不妊の主要因となります。重度の生理痛がある場合は、この病気が進行しているサインかもしれません。

子宮筋腫と着床障害

子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、特に子宮内膜に近い場所(粘膜下筋腫など)に発生すると、内膜の安定性を妨げ、過多月経を引き起こします。筋腫の大きさや位置によっては、受精卵の着床を妨げたり、流産のリスクを高めたりする可能性があります。

黄体機能不全など機能性疾患の悪化

器質的な問題がなくても、ホルモン分泌の異常によって生理が重くなることがあります。妊活を始めたことによる環境変化が、潜在的な機能性疾患を悪化させている可能性もありますね。

黄体機能不全と過多月経

排卵後に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が不足すると、子宮内膜が不安定になり、結果として大量出血を伴う過多月経につながることがあります。一方で、黄体機能不全という診断概念や治療の有効性については専門家の間でも議論があり、確立した診断基準は限定的である点にも留意しましょう。

無排卵性周期症

排卵が起こらないサイクルでは、エストロゲンのみによって子宮内膜が異常に厚くなり、無秩序に剥がれ落ちることで過多月経を引き起こすことがあります。

ストレスが脳の視床下部や下垂体に影響を与え、HPA軸とHPO軸を通じてホルモンバランスや卵巣機能に影響する仕組みを示した医学的イラスト。ストレスで頭を抱える女性のイメージも含む

妊活ストレスによるホルモンバランスの乱れ

妊活へのプレッシャーや期待は、無意識のうちに心理的ストレスを増大させ、ストレスホルモンであるコルチゾールを過剰に分泌させます。慢性的なストレスでは視床下部‐下垂体‐副腎(HPA)軸が活性化し、視床下部‐下垂体‐卵巣(HPO)軸が抑制されることで排卵機能やホルモン分泌のバランスが乱れます。

知っておきたいストレスの影響

ストレスによるホルモンバランスの乱れは、前述した黄体機能不全助長する一因となり得ます。また、自律神経の乱れから子宮への血流が悪化し、東洋医学でいう「瘀血(おけつ)」の状態を作り出し、生理痛や過多月経を助長する一因にもなるんです。

重い生理と妊娠超初期・化学流産の区別

 日本人女性が妊娠検査薬を手に、不安そうな表情で結果をじっと見つめている様子。妊娠超初期の出血や化学流産の可能性に戸惑う場面

妊活中、生理予定日付近の出血は特に不安ですよね。「生理が重いだけなのか、それとも妊娠の兆候やトラブルなのか」を区別することは、自己判断では非常に困難です。

化学流産後の出血の特性

妊娠検査薬でごく初期に陽性が出た後、超音波で胎嚢が確認できる前に妊娠が終わってしまうのが化学流産です。この場合の出血は、通常、生理予定日より数日遅れて発生し、出血量は通常の生理とほぼ同じか、やや増える程度だとされています。これは、一時的に厚くなった内膜が剥がれ落ちるため、塊を伴うこともあります。※ただし、出血量や期間には個人差が大きい点にも留意しましょう。

出血の種類の鑑別ポイント

種類時期(予定日比)出血量・色期間
通常の生理予定日通り通常の量、鮮血/暗赤色3~7日程度
化学流産後の出血数日〜1週間程度遅延通常通りか、やや多め通常より半日程度長くなることも
重大な早期妊娠出血予定日以降生理2日目のような量(鮮血)、あるいはそれ以上持続的

鮮血や激しい腹痛がある場合の緊急性

妊娠検査薬で陽性が出ている、またはその可能性があるにもかかわらず、生理2日目程度の鮮血が続く場合や、激しい腹痛を伴う場合は、以下のトラブルを鑑別するためにすぐに病院を受診する必要があります

  • 異所性妊娠(子宮外妊娠): 受精卵が卵管などに着床し、母体の生命に関わる可能性があるため、緊急性が高いです。
  • 切迫流産/早期流産: 胎嚢確認後に流産が進行する危険な状態です。
  • 絨毛膜下血腫: 子宮内に血の溜まりができ、大量出血を伴うことがあります。

自己判断せず、必ず婦人科の専門医にご相談ください。

妊活始めてから生理が重い状態を改善する対策と治療法

生理が重い原因が判明した場合、妊活を妨げずにどう対処していくかが重要になります。ホルモン療法が制限される妊活中に、私たちができること、そして医療でできることをご紹介します。

婦人科での超音波検査と血液検査

まずは、生理が重くなった原因が、子宮筋腫や子宮内膜症といった器質性疾患なのか、黄体機能不全などの機能性疾患なのかを正確に診断してもらうことが大切です。診断プロセスは次の通りです。

  • 問診: 生理周期、出血量(レバー状の塊の有無)、生理痛の程度などを詳細に伝えます。
  • 内診・超音波検査: 子宮筋腫や内膜症の有無、子宮内膜の厚さを確認します。
  • 血液検査: 貧血の有無(ヘモグロビン、フェリチン値)や、黄体ホルモン、甲状腺ホルモンなどの値を測定し、機能的な原因を探ります。

妊活中にできる過多月経の対症療法

低用量ピルなどの標準治療は、排卵を抑制するため妊活中は使えません。そのため、妊活を継続しながら症状を和らげる「対症療法」が中心となります。

  • 鎮痛剤の適切な利用: 生理痛が重い場合、鎮痛剤(NSAIDs)で痛みを管理します。ただし、影響は用量や服用時期に依存しエビデンスも混在します。妊活中、特に排卵期の反復使用は避け、必要時はアセトアミノフェンを優先する選択肢もあります。いずれも必ず医師と相談の上、最小限の使用に留めましょう。
  • 貧血対策: 血液検査で鉄欠乏性貧血が確認された場合は、鉄剤の投与が行われます。全身状態を改善することは、妊活力の底上げにもつながりますよ。

貧血対策と栄養管理の重要性

過多月経の方は、出血により鉄分が失われやすい状態です。貧血を放置すると、疲労感やだるさが増し、妊活に必要なエネルギーが不足してしまいます。

妊活と貧血対策のポイント

ホルモン代謝を支えるためにも、食事から鉄分(ヘム鉄)、マグネシウムビタミン類を積極的に摂取しましょう。特に、レバーや赤身肉など吸収率の高い動物性食品を意識して取り入れることが効果的です。極端な食事制限はホルモンバランスを崩すので絶対に避けてくださいね。

東洋医学でいう瘀血の改善アプローチ

西洋医学の治療が制限される妊活中だからこそ、東洋医学の「漢方」が力になります。漢方では、重い生理や生理痛の多くは、血液の巡りが悪い「瘀血(おけつ)」という状態だと考えます。

瘀血とは?

瘀血とは、血液がスムーズに巡らず、体内に滞っている状態です。経血にドロッとしたレバー状の塊が出る、経血の色が黒っぽい、重い生理痛、手足の冷えがあるといったサインが見られます。この瘀血を改善する「活血化瘀」の治療は、子宮環境を整え、妊娠力を高める可能性があるとされています。(補助的な選択肢であり、効果に関するエビデンスは限定的です)

妊活と過多月経に用いられる代表的な漢方

  • 温経湯(うんけいとう): 血行を促進し体を温めます。冷え性や月経不順、生理痛があるタイプに。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん): 補血作用と利水作用があり、貧血傾向や冷えが強く、体力が虚弱な女性に。

漢方薬は体質に合わせて選ぶことが大切なので、必ず漢方に詳しい専門家(医師や薬剤師)に相談してくださいね。

冷えや極端な食事制限などの生活習慣見直し

 妊活中の日本人女性が自宅のソファで腹部にカイロを当て、ブランケットをかけてリラックスしながら体を温めている様子。冷え対策と温活を実践するシーン

妊活を始めたからといって、過度な努力は逆効果になることがあります。特に、体を消耗させる行為は、生理周期を乱す原因となります。

  • 冷えの徹底的な改善: 瘀血は冷えと密接に関連しています。腹部や腰、足首を温め、血液循環を促しましょう。
  • 過度なダイエットの禁止: 極端な食事制限や激しい運動は女性ホルモンを減少させ、無月経を引き起こす恐れがあります。適度な運動とバランスの取れた栄養摂取が大切です。
  • 十分な睡眠の確保: 睡眠不足は自律神経の乱れを招き、ホルモン分泌を低下させます。質の高い睡眠は、生理周期を整える上で欠かせません。

妊活始めてから生理が重い悩みに対する専門家への相談

「妊活始めてから生理が重い」という変化は、あなたの身体が発する重要なメッセージです。それは病気のサインであると同時に、「休養や栄養が足りていないよ」というメッセージでもあります。

継続的な相談が必要なケース

生理の重さや痛みが生活に支障をきたし、鎮痛剤を頻繁に使用している場合や、器質性疾患(子宮筋腫、内膜症)や機能性疾患(黄体機能不全)の治療と妊活を同時に進めたい場合は、迷わず専門医の診察を受けましょう。特に、不妊治療専門のクリニックでは、妊活を考慮した上で、器質性疾患の手術療法(筋腫核手術など)を含めた適切な治療戦略を提案してもらえるはずです。

もし、婦人科疾患と不妊治療について詳しく知りたい場合は、専門家との二人三脚で治療を進めることが、安心して妊活を続けるための最良の方法です。

最終的な判断は必ず専門医にご相談ください。

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