本記事ではスズキパレットSWの欠点TOP5を、燃費や乗り心地、加速性能、静粛性、荷室スペース別にランキング形式で紹介。
オーナーの実燃費や口コミを分析し、ロードノイズ対策や足回りチューニング、荷室活用術など具体的改善策を提案。
ダイハツタントやホンダNBOXとの比較で、購入検討や不満解消の判断材料を効率的に得られます。
さらに、ターボ設定車との違いや維持費を含めたコストパフォーマンスも詳しく解説します。
スズパレットSWの概要と特徴

image:ミニバンラボ|MINIVAN LAB
車種概要
スズキが2008年から2013年まで販売していた「スズキ パレットSW」は、軽トールワゴンの中でもゆとりある室内空間と高い実用性を両立させたモデルです。
スライドドアを両側に備え、家族や買い物のシーンで使いやすい設計が特徴となっています。
主要スペック
項目 | 仕様 |
---|---|
全長×全幅×全高 | 3,395×1,475×1,780mm |
ホイールベース | 2,460mm |
車両重量 | 840~890kg |
エンジン形式 | 直列3気筒DOHC 658cc(NA/ターボ) |
駆動方式 | 2WD/4WD |
トランスミッション | CVT |
エンジン・パワートレイン
搭載されるK6A型エンジンは、NAモデルとターボモデルの2種類を用意。
NA車は日常の市街地走行を重視し、低燃費性能を追求。ターボ車は軽快な加速力で高速道路や登坂路での余裕ある走りを実現しています。
全車CVTとの組み合わせで、こまめなギアチェンジを不要にしました。
デザインと装備
外観デザイン
フロントマスクには大きなヘッドライトを採用し、立体感のあるグリルが精悍な印象を与えます。
サイドビューはスライドドアのレールを見せない「リヤシートベルトガーニッシュ一体型」デザインで、クリーンでスッキリとしたシルエットを確保。
インテリア・ユーティリティ
後席はベンチシート仕様で、リクライニング機構とスライド機能を備え、広い足元空間を実現。
前席下の大型アンダーボックスやセンターコンソールトレイなど、日常使いに便利な収納が充実しています。
荷室は床下収納スペースを含め、普段使いの買い物からレジャーまで対応可能です。
安全装備と快適装備
全グレードにABS+EBDを標準装備し、デュアルエアバッグやサイドカーテンエアバッグ(上級グレード)を採用。
発進時や低速走行時の操作をサポートするヒルホールドコントロール(4WD車)や、アイドリングストップ機能(NA車)など、燃費と安全性を両立させる装備が揃っています。
スズキパレットSW欠点ランキングTOP5

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第1位 燃費の実燃費がカタログ値を下回る問題
スズキパレットSWは軽自動車として優れた燃費性能を謳っていますが、実際のオーナー報告ではカタログ値を下回るケースが散見されます。
モデル | カタログ燃費 (km/L) | 実測平均燃費 (km/L) |
---|---|---|
NA車 2WD | 23.2 | 21.5 |
ターボ車 4WD | 20.8 | 19.0 |
市街地走行やエアコン使用時には、平均で1.5km/L前後も燃費が悪化するとの声が多く、通勤利用など頻繁に走行するオーナーには深刻なデメリットです。
第2位 乗り心地の硬さで長時間走行が疲れやすい問題
サスペンションセッティングは軽自動車の中では硬めにチューニングされており、段差や路面の凹凸を強く感じる傾向があります。
特に高速道路の継ぎ目や舗装が粗い地方道では、長時間乗車で腰や背中に負担がかかるとの口コミが少なくありません。
シートのホールド性は良好ですが、クッション性に物足りなさを感じるユーザーが多く、快適性重視のユーザーには向かない場合があります。
第3位 加速性能が市街地走行で物足りない問題
エンジン出力はNAとターボの2タイプがありますが、NA車では特に発進加速が緩やかです。
信号待ちからの立ち上がりや合流時に、追い越し加速が十分でないために後続車に不安を与えるケースがあります。
ターボ車を選べば改善されますが、ターボ特有のドライバビリティのギャップを感じるユーザーもいるため注意が必要です。
第4位 車内静粛性が低くロードノイズが気になる問題
ドアやウインドウ周辺の遮音性はライバル車比でやや劣り、高速走行時のロードノイズが車内に侵入しやすい設計です。
特に雨天時のタイヤノイズや舗装路の継ぎ目通過時には、40dBを超える風切り音を感じたとの報告もあり、会話やオーディオ再生の妨げになる場合があります。
社外の防音マットや吸音材を追加するなどの対策が求められます。
第5位 荷室スペースが狭く実用性が低下する問題
後部座席を倒してもフラットになる荷室長は最大で約1,600mmですが、室内幅と高さには制限があり、大きな荷物の積載性で不足を感じるケースが多いです。
項目 | 数値 |
---|---|
荷室容量(標準時) | 198L |
荷室容量(フルフラット時) | 650L相当 |
引越し用のダンボールやスポーツ用品など、高さや形状のある荷物が収まりにくいという意見があり、アウトドアやレジャー用途には不向きとされることがあります。
各欠点のリアルな評価とユーザーの声

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燃費に関するオーナー口コミを分析
スズキパレットSWの燃費はカタログ値24.0km/Lに対し、実燃費が大きく下回るとの声が多く寄せられています。
特に市街地でのエアコン使用時には著しく悪化する傾向があります。
運転状況 | 平均実燃費(km/L) | ユーザー評価 |
---|---|---|
市街地(渋滞含む) | 13.8 | 「アイドリングストップ頻発でストレス」 |
郊外(80km/h巡航) | 18.5 | 「高速では意外と伸びるが維持が難しい」 |
総合平均 | 15.0 | 「カタログ値24.0km/Lに対し平均15.0km/Lはガッカリ」 |
多くのオーナーが「燃費向上には一定のアイドリングストップ運用技術とエコモード活用が必須」とコメントしています。
乗り心地に対する評価が分かれる理由
標準装着タイヤは14インチとコンパクトですが、路面の凹凸を拾いやすく、サスペンションのセッティングが硬めのため長距離ドライブでは腰や背中に疲労が蓄積しやすいです。
一方で「キビキビ感があり市街地では運転しやすい」「車体の安定感がある」と評価する声も。
また、標準とオプションのディーラー装着サスペンションで差が出るケースも報告されています。
多くのオーナーが「長時間運転で腰に負担」を指摘しつつも、街乗り主体なら不満は少ないとの声が散見されます。
加速性能とターボ設定車の違い
ノンターボ仕様では主に市街地走行向けのチューニングとなっており、発進加速や合流加速に物足りなさを感じるユーザーが多いです。
ターボモデルでは低回転域からトルクが湧き上がり、実用トルク性能が大幅に向上します。
仕様 | 最高出力 | 最大トルク | 0→100km/h加速 |
---|---|---|---|
ノンターボ | 58PS/6,500rpm | 6.6kgfm/3,500rpm | ― |
ターボ | 64PS/6,000rpm | 9.4kgfm/3,000rpm | 約12秒台 |
ユーザーからは「ターボ車への乗り換えでストレスが激減」との意見が多く、坂道や追い越し加速での違いが顕著とされています。
静粛性向上のためにできる対策
防音マットの施工
床下やドア内張りに市販の防音マットを貼ることで、ロードノイズや風切り音を大幅に低減できます。特にドア下部への施工が効果的です。
タイヤ銘柄の変更
標準のエコタイヤからコンフォート系タイヤ(例:ブリヂストン「レグノ」)に交換すると、タイヤノイズが静かになり、乗り心地もソフトになります。
吸音パネルの取り付け
車内ルーフやピラー部分に吸音パネルを装着すると、会話やオーディオ音質の向上にもつながり、総合的な静粛性アップが図れます。
荷室活用の工夫と代替案
スズキパレットSWの荷室はリアシートを起こした状態で奥行きがやや短く、大きめの荷物が積みにくいとの声があります。
ただしシートアレンジを工夫することで実用性を高めることは可能です。
シートアレンジ | 容量(L) | 特徴 |
---|---|---|
標準状態 | 190 | 日常の買い物に最適 |
リアシート格納 | 400 | フラット化で大きな荷物も積載可 |
ルーフキャリア装着 | +100~200 | スキーや自転車も搭載可能 |
また、トランク下の小物収納や助手席を前倒しにする「ちょい積み」方法などで、狭さをカバーするアイデアがオーナー間で共有されています。
欠点をカバーするおすすめの対策法

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燃費改善の運転テクニック
スズキパレットSWの実燃費を向上させるには、日常的なドライビングスタイルの見直しが重要です。
以下のポイントを意識することで燃費効率を最大化できます。
テクニック | 内容 | 期待効果 |
---|---|---|
アイドリングストップ | 信号待ちや渋滞時にエンジンを停止 | 無駄な燃料消費を抑制 |
定速走行 | クルーズコントロールやアクセル一定維持 | 燃料消費の平準化で効率向上 |
ソフトアクセル | 急加速・急減速を避ける | エンジン負荷を軽減し燃費改善 |
タイヤ空気圧管理 | 推奨値に毎月チェック | 転がり抵抗の低減で燃費アップ |
これらを組み合わせることで、カタログ値に近い実燃費を狙えます。
快適な乗り心地を実現する足回りチューニング
硬い純正サスペンションを改善するには、適切なパーツ選定と調整が不可欠です。
下記の対策で振動吸収性と安定性を両立できます。
改良箇所 | おすすめパーツ | メリット |
---|---|---|
ダンパー(ショックアブソーバー) | ビルシュタイン B8 | 路面追従性向上で突き上げ感軽減 |
サスペンションキット | RS★Rベストi | バネレート最適化で乗り心地UP |
スタビライザー | モンスタースポーツ 強化スタビ | コーナリング時のロール低減 |
タイヤ交換 | ブリヂストン レグノ | 静粛性とグリップの両立 |
取り付け後はアライメント調整を行い、長距離ドライブでの疲労を軽減しましょう。
エンジン性能を引き出すメンテナンス方法
加速性能やエンジンレスポンスを維持するには、定期メンテナンスが欠かせません。
以下の項目を計画的に実施し、長期的なパワー低下を防ぎます。
メンテナンス項目 | 実施タイミング | 効果 |
---|---|---|
エンジンオイル交換 | 5,000kmまたは半年ごと | 摩耗防止・潤滑性維持 |
エアフィルター清掃・交換 | 10,000kmまたは年1回 | 吸気効率アップで燃焼改善 |
スパークプラグ交換 | 30,000kmごと | 点火性能向上で加速レスポンス改善 |
燃料系クリーナー添加 | 5,000kmごと | インジェクター洗浄で出力維持 |
上記を守ることで、ターボ設定車・ノンターボ車ともにスムーズな加速を実現できます。
防音対策グッズの選び方
車内静粛性を高めるには、遮音・吸音素材を適所に施工することがポイントです。
以下の製品を組み合わせてロードノイズを大幅に低減しましょう。
グッズ名 | 特徴 | 施工箇所 |
---|---|---|
デッドニングシート | 厚手の制振シート | フロア・ドア内部 |
吸音マット | 高密度ウレタンフォーム | ルーフ・トランクルーム |
遮音シート | 鉛シート入り重厚タイプ | ホイールハウス・カウルトップ |
防振スプレー | スプレー施工で隙間をカバー | ドアシール・スピーカーホール |
DIY施工が難しい場合は、専門ショップでのプロ施工を検討してください。
スズパレットSWとライバル車種の比較

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ダイハツタントとの燃費比較
カタログ値(JC08モード)ではスズパレットSWが22.2km/L、ダイハツタントが25.0km/Lと、タントが上回ります。実燃費でも差は明確で、市街地と高速道路を含む平均実測値は以下の通りです。
車種 | カタログ燃費(JC08モード) | 実燃費(平均) | 燃費差 |
---|---|---|---|
スズパレットSW | 22.2km/L | 約17.5km/L | 約1.5km/L |
ダイハツタント | 25.0km/L | 約19.0km/L |
この差は年間走行1万kmで概算すると約150ℓの燃料消費量の違いとなり、レギュラーガソリン単価130円/ℓとすると約19,500円のコスト差が生じます。
ホンダNBOXとの乗り心地比較
乗り心地を左右する主な要素は「サスペンションのセッティング」「ボディ剛性」「シートクッション」の3点です。
スズパレットSWはリアにリーフスプリングを採用し硬めの設定ですが、NBOXはスチールコイルスプリングと剛性ボディで路面追従性を高めています。
サスペンションセッティングの違い
スズパレットSWはリアサスペンションが硬めで、段差通過時に突き上げ感を感じやすい反面、車体のロールが抑えられ安定感は確保されています。
ホンダNBOXはソフトなスプリングレートとダンパー調整により、細かい振動を吸収しやすく長距離でも疲労感が軽減されます。
シート形状とクッション性
パレットSWのシートはフラット形状で着座位置が高く視界は良好ですが、クッションの反発力がやや強いため長時間走行では臀部に負担が掛かる場合があります。
対してNBOXはサポート性の高いバケット形状で、腰部と腿裏への圧迫を分散する構造が採用され、快適性が優れています。
以上の比較から、燃費を重視するならダイハツタント、乗り心地を重視するならホンダNBOXが優位ですが、スズパレットSWは価格帯と室内空間のバランスに優れるため、総合評価では選択肢として十分検討に値します。
まとめ

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スズキ パレットSWは、実燃費、乗り心地、加速、静粛性、荷室容量といった主要課題があるものの、運転テクニックや足回りチューニング、防音対策を施すことで緩和可能です。
ダイハツ タントやホンダ N-BOXと比較しても、取り回しの良さや室内の広さなど優位点があり、適切なカスタマイズを行えば実用性と快適性を両立できる軽自動車といえます。