タントファンクロスの価格帯や主要装備、安全装備や走行安定性、燃費やエンジンスペック、乗り心地や静粛性、収納力や視界の不便、維持費や故障リスクなどオーナーが感じるデメリットを徹底解説。
軽自動車規格の制約を分析し、燃費改善や快適化、収納増強、視界確保、メンテナンス術など実践的解決策まで網羅。
購入前におさえるべきポイントが一目でわかります。本音レビューをもとにした生の声を掲載し、実際のユーザー視点で有効な対策が手に入ります。
タントファンクロスの基本情報

image:ミニバンラボ|MINIVAN LAB
車体サイズとデザイン
タントファンクロスは軽自動車規格内でありながら、SUVライクなデザインを採用。
アウトドアシーンにも映える力強いフォルムと室内高を活かした広い室内空間が特徴です。
項目 | 数値 |
---|---|
全長 | 3,395 mm |
全幅 | 1,475 mm |
全高 | 1,795 mm |
ホイールベース | 2,525 mm |
最低地上高 | 185 mm |
フロントグリルやブラック加飾のフェンダーアーチ、ルーフレールなど、クロスオーバーらしいタフさを演出するエクステリアパーツが標準装備されています。
エンジン性能と燃費スペック
搭載されるのはNAとターボの2タイプ。
軽自動車としては十分な出力を持ち、街乗りから高速道路まで快適に走行できます。
仕様 | NAエンジン | ターボエンジン |
---|---|---|
最高出力 | 36kW(49PS)/6,500rpm | 47kW(64PS)/6,400rpm |
最大トルク | 57Nm/3,600rpm | 92Nm/3,200rpm |
WLTC燃費 | 18.8km/L | 17.2km/L |
駆動方式 | 2WD/4WD | 2WD/4WD |
JC08モード燃費を上回る実燃費性能で、ドライビングテクニック次第では20km/Lを超えるケースも見られます。
主要装備と価格帯
タントファンクロスには快適性と安全性を高める装備が豊富に用意されています。
先進の予防安全パッケージ「スマートアシスト」や、LEDヘッドランプ、オートエアコンなどが標準です。
グレード | 駆動方式 | 車両本体価格(円) |
---|---|---|
FUN×PANORAMA(NA・2WD) | 2WD | 1,560,000 |
FUN×PANORAMA(NA・4WD) | 4WD | 1,680,000 |
FUN×TURBO(ターボ・2WD) | 2WD | 1,670,000 |
FUN×TURBO(ターボ・4WD) | 4WD | 1,790,000 |
いずれのグレードも低床フロアとスライドドアを採用し、子育て世代やアウトドアユーザーに配慮した使い勝手が魅力です。
オーナーが感じるタントファンクロスの主なデメリット

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燃費性能の不満点
カタログ燃費(WLTCモード)は約20.5km/Lと発表されているものの、実際の市街地走行では18km/L前後にとどまるケースが多いです。
特にエアロパーツや専用装備による車重増加の影響で、通常モデルよりも燃費が約2km/Lほど悪化しているとの声があります。
さらに冬季のエアコン使用や渋滞時のアイドリングストップ頻度が増えると実燃費が15km/L台まで落ち込む場面もあり、経済性を重視するオーナーにはやや不満が残るポイントです。
走行条件 | カタログ値 | 実測値 |
---|---|---|
WLTCモード(総合) | 20.5km/L | 18.0km/L前後 |
市街地(都内混雑) | ― | 16.5km/L~18.5km/L |
高速道路(80km/h巡航) | ― | 21.0km/L~22.5km/L |
乗り心地と静粛性の課題
標準装備の15インチタイヤは扁平率が高く、路面の凸凹をダイレクトに拾いやすいため縦揺れや突き上げ感が気になるという意見があります。
特に段差を越えた際のリアサスペンションの収束が遅く、同乗者からのクレームにつながることもあります。
また、高速走行時にはエンジン回転数の上昇に伴いCVT特有のゴムベルト音や風切り音が大きく感じられ、長距離ドライブでは疲労を感じやすい点がオーナーの不満点です。
インテリア収納力の制限
ラゲッジスペースは軽自動車として広めに設計されていますが、リヤシートを立てた状態では深さが浅く、大きめのゴルフバッグやベビーカーなどを積載する際に工夫が必要です。
室内収納もサイズや数に限りがあり、手荷物やドリンク類の置き場に困る場面があります。
収納部位 | 容量・仕様 |
---|---|
グローブボックス | 約6L(文庫本数冊程度) |
助手席シートアンダートレイ | 約4L(薄型アイテム向け) |
センタートレイ/カップホルダー | ドリンク2本+小物スペース |
ドアポケット | 500mlペットボトル×1本 |
視界の不便さと運転疲労
FunCross専用のフロントグリルやバンパー形状により、ボンネット先端の視認性がやや悪くなっています。
特に大きめのAピラーが視界に入るため、交差点での左右確認や歩行者検知がしづらいとの声があります。
また車高が高い分、目線が上がることでダッシュボードまでの距離感をつかみにくく、長時間の運転で首や肩に負担を感じやすい点もデメリットとして挙げられています。
維持費と故障リスクの懸念
軽自動車としては維持費が安いものの、FunCross専用部品(エアロパーツやホイールなど)は他グレードと共通化されておらず、万が一の修理や交換時に部品代が割高になる傾向があります。
さらにCVTオイルやサスペンションブッシュの推奨交換サイクルが短めで、定期メンテナンスを怠ると走行性能や静粛性が著しく低下するリスクがあります。
メンテナンス項目 | 交換・点検時期 | 目安費用 |
---|---|---|
エンジンオイル | 6,000kmまたは6ヶ月 | 約5,000円 |
CVTフルード | 40,000kmまたは2年 | 約15,000円 |
サスペンションブッシュ | 80,000kmまたは4年 | 約20,000円~ |
デメリットの根本原因を分析

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軽自動車規格による設計制約
タントファンクロスは日本独自の軽自動車規格に準拠するため、設計段階で全長・全幅・全高や排気量が厳格に制限されています。
この制約が燃費性能や乗り心地、収納力に影響を及ぼす根本要因です。
規制項目 | 制限値 | 車両への影響 |
---|---|---|
全長/全幅 | 3,400mm以下/1,480mm以下 | 室内スペースの狭小化、収納方法の最適化が困難 |
排気量 | 660cc以下 | 高出力化による燃費悪化、エンジン振動の増加 |
車両重量 | 軽量化重視 | 遮音材や防振部品の省略による静粛性低下 |
全長・全幅の制限
限られたボディサイズではラゲッジスペースを広げにくく、後部座席アレンジや収納レイアウトに余裕がありません。
エンジン排気量の制約
660ccエンジンは低燃費を重視する一方で高回転時の燃料消費が増え、長距離走行時に燃費性能が落ちやすくなります。
防振・防音材削減の影響
軽量化のために遮音シートや吸音材を最小限にとどめているため、ロードノイズやエンジン音が車内に侵入しやすい構造です。
車高と車体形状からくる影響
タントファンクロスは背の高いトールワゴンタイプの軽自動車であり、重心位置の高さやボディ形状が走行性能や快適性に影響を及ぼします。
高い重心位置による挙動の不安定化
床面が高く設計されているためコーナリング時にロールが大きく、車体の揺れが増えることで乗り心地に対する不満が生じやすいです。
ボディ剛性とのトレードオフ
広い室内空間を確保するため側面パネルやルーフ部の強度を薄くするとボディ剛性が低下し、振動吸収性能や操縦安定性が犠牲になります。
風切り音と空気抵抗の増加
直立に近いフロントウインドウや大きなサイドウインドウが特徴ですが、これにより走行中の乱気流が発生しやすく、風切り音が大きくなると同時に燃費にも悪影響を与えます。
オーナーおすすめの解決策

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燃費を改善する運転テクニック
タント ファンクロスの燃費は運転方法で大きく変わります。
以下のテクニックを習慣化しましょう。
テクニック | 期待できる効果 |
---|---|
スムーズな加減速 | 急発進・急停止を減らし燃料消費を抑制 |
適切なアイドリングストップ活用 | 短時間の停車時に燃料カットで無駄を省く |
タイヤの空気圧チェック | 正しい空気圧で転がり抵抗を軽減 |
クルーズコントロール併用 | 高速道路で安定走行し無駄な加速を回避 |
特に高速道ではクルーズコントロールを活用し、無駄なアクセル操作を避けると巡航燃費が向上します。
乗り心地を向上させるカスタマイズ
軽自動車ならではの硬めの足回りを改善するアイテムを紹介します。
- シートクッション:低反発ウレタン製を選ぶと腰への負担が軽減
- ダンパー調整キット:減衰力を細かく設定できるモデルで路面追従性をアップ
- スタビライザーリンク:純正より太めの社外品でボディの揺れを抑制
交換作業は専門店かDIYキットで行えますが、安全性を重視するなら認証パーツを選んでください。
収納力を高める便利アイテム
狭い室内を有効活用するため、手軽に取り付けられる収納グッズを活用しましょう。
- シート下トレイ:薄型設計で日常品を見えない収納に
- トランクネット:荷崩れを防ぎ、小物を仕分け
- ヘッドレストバッグ:背面にバッグを掛けて空間を有効活用
- サイドポケット拡張:ドアポケットの容量を+30%アップ
これらを組み合わせると、買い物袋やアウトドア用品も効率よく積載できます。
視界を確保するアクセサリ活用法
運転時の死角や雨天走行での視界不良を軽減するアイテムです。
- ワイドドアミラー:左右映像を拡大し死角を低減
- フロントガラス撥水コート:雨粒を払い視界クリアに
- サイドウィンドウフィルム:反射を抑え日差し対策にも有効
- バックカメラガイド線調整ツール:後退時の安全確認がスムーズに
いずれも市販で手軽に装着可能。メンテナンスは水洗い or 専用クリーナーで大丈夫です。
維持費を抑えるメンテナンス術
ランニングコスト低減のポイントは定期的かつ賢いメンテナンスにあります。
メンテナンス項目 | 節約効果 |
---|---|
DIYオイル交換 | 工賃節約で年間1万円以上のコストダウン |
タイヤローテーション | 偏摩耗防止でタイヤ寿命を延長 |
エアコンフィルター清掃 | 余計な負荷を減らし燃費維持に貢献 |
下回り防錆コーティング | 腐食抑制で長期的な修理費用を削減 |
自身で対応が難しい場合は、ディーラーのパッケージ点検を活用すると保証範囲内で費用を抑えられます。
まとめ
ダイハツ タント ファンクロスは、広い室内と高い視点が魅力。
一方で燃費や静粛性、収納力に課題がある。
しかし、定期的なオイル交換(トヨタ純正0W-20)、シートクッション交換、ルーフキャリア活用で改善可能。
維持費も抑えつつ快適性を両立でき、日常利用に最適な1台だ。
具体的には、ダンロップ エナセーブEC300+へのタイヤ交換やデッドニング、収納ボックス導入で快適性と収納力を一段と強化できる。